TRIZ(発明的問題解決理論)とは?
TRIZ(発明的問題解決理論)は、ロシアの科学者・技術者であるゲンリッヒ・アルトシュレ(Genrich Altshuller)によって提案された発明やイノベーションを促進するための問題解決手法です。TRIZは、「теория решения изобретательских задач」(発明的問題解決理論)のロシア語の頭文字を取って命名されました。
TRIZの基本的なアイデアは、技術的な問題や発明は、固有のパターンや原則に従って解決できるというものです。アルトシュレは、何千もの特許や発明を調査し、最も効果的な問題解決手法を特定しました。彼はこれらの手法を40の発明原則、矛盾行列、イデアリット(理想的な結果)などの形で体系化しました。
TRIZは、以下のような主要なコンポーネントから構成されています。
- 40の発明原則:特定の問題や状況に対して適用できる普遍的な原則。
- 矛盾行列:技術的な矛盾を解決するための、40の発明原則を適用する方法を示した行列。
- イデアリット(理想的な結果):問題解決の最終目標を定義する方法。イデアリットは、問題を最小限に抑え、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出すことを目指します。
- アナログおよび過去の発明からの学習:他の技術分野や過去の発明から学ぶことで、新しいアイデアや解決策を見つける方法。
TRIZは、製品開発、プロセス改善、品質管理など、さまざまな分野で利用されており、多くの企業や研究者がこの手法を用いて革新的なアイデアや解決策を見つける手助けをしています。
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次のテーマでTRIZを実践してみてください「顧客が欲しくなる人工視覚デバイス」
TRIZを用いて、「顧客が欲しくなる人工視覚デバイス」の開発に取り組む際には、以下の手順に従って考えることができます。
- 問題の特定:
まずは、現行の人工視覚デバイスに関する問題や課題を特定しましょう。例えば、高価であること、バッテリー寿命が短いこと、利便性が低いこと、使用方法が複雑であることなどが考えられます。
- 技術的矛盾の特定:
次に、改善したい特性とそれによって悪化しがちな特性を特定し、技術的矛盾を明らかにします。例えば、デバイスの性能を向上させたいが、コストが上昇しがちであるという矛盾が挙げられます。
- 矛盾行列の利用:
矛盾行列を用いて、技術的矛盾を解決するための発明原則を特定します。たとえば、性能向上とコスト抑制の矛盾を解決するために、「セグメンテーション」や「複合材料」などの原則が適用できるかもしれません。
- 発明原則の適用:
特定された発明原則を用いて、問題解決のアイデアを生成します。
- セグメンテーション:デバイスの機能をモジュール化し、カスタマイズ可能にすることで、顧客が必要な機能だけを選択できるようにする。
- 複合材料:軽量でコスト効率の良い材料を使用し、デバイスの性能と耐久性を向上させつつ、コストを抑える。
- イデアリットの概念を活用:
理想的な人工視覚デバイスを定義し、最適な解決策を選択します。理想的なデバイスは、低コストで高性能、使いやすく、カスタマイズ可能であることが求められるでしょう。